背腰の張りと姿勢のメカニズム|体のお悩み解読

特集記事

はじめ鍼灸整骨院では『東洋医学とストーリーで体の悩みを読み解く』ことを大切にしています。

体にかかっている無理や負担、ストレスを放置していたら傷口にヤスリをかけ続けているようなものですよね?

そのままでは、どれほど鍼灸に一生懸命通われても、痛みや不調が軽くなるとは考えにくいのです。

まずは、痛みや不調を軽くするためには、まずはその体にかけている無理や負担、ストレスを見つけることが初めの一歩。

その無理や負担、ストレスは、立ち方や歩き方など姿勢の悪さかも知れませんし、重いものの持ち方や除雪作業などの習慣やクセかも知れません。

しかし、これらを見つけることができれば、あなたの痛みや不調の半分は軽くなったも同然です!

そのためには患者さんの協力が必要不可欠になります。

この記事では、はじめ鍼灸整骨院ではどのように身体のお悩みを東洋医学とストーリーで読み解いていくのかお話していこうと思います。

今回取り上げるのは、70代女性の腰と背中のツッパリ感。

さあ、どんなストーリーが見えてくるでしょうか?

これまでにないツッパリ感の理由

定期的に体調管理のために来院される患者さん。

3~4週ぶりの来院直後の開口一番「先生、座ってるところから立ち上がるときにお尻のところと背中が突っ張るんだよね。なんで?」と仰います。

えらい具体的だなと思い、詳しいお話を伺います。実は前回の施術の際、骨の構造から重心バランスの位置と立ち方の解説をしました。この数週間、自分なりに気をつけて練習していただいていたようです。

そこで何に注意して練習をしていただいていたか再確認すると、なんと重心の位置が内外で真反対に覚えておられたようです。

「あー、それだね~」と改めて説明します。

重心バランスのメカニズム

前回の施術でお話した通り、膝をピシッと伸ばして重心が外側に乗る姿勢をしていると、人間の体は骨格的にどうしても前傾姿勢になってしまいます。その状態で姿勢を維持しようと思うと、腰や背中が反ってしまいやすいんですね。

それで気をつけて練習していただいたのですが、重心のポイントが内と外と真反対だとどうしても外体重の前傾姿勢になってしまいます。すると余計なところが突っ張ったり痛んだりしてしまうんですね。

これは解剖学や骨格の問題なので「どれほど自分はこちらの方がやりやすい」と言っても仕方ありません。

つまりメカニズムを間違えたままどれほど頑張っても、痛みや不調が軽減しないばかりかひどくなってしまうこともあり得るということです。

実際に理に適っていない立ち方や歩き方だと、いくら頑張っても膝や股関節の痛みが強くなってしまったり、腰が痛くなったりしてしまう方がいくらでもいらっしゃいます。

せっかく身体や健康のためにケアや運動をするのなら、正しいメカニズムに則ってやっていただいた方が結果につながりやすくなります。

これはスポーツでも日常生活でも同じことです。もう一度、確認しながらやってみてくださいね。

お悩みを軽くするなら

そのようにお伝えしたらありがたいことに「そっかー、間違って覚えてればそりゃ痛くもなるよね」と素直に聞き入れていただけました。

その場でポイントを再点検すると「腰も背中もスッキリ立てる!」と驚かれ、そして「そういう身心のメカニズムをみなさんに知って欲しいね」とも仰っていただけました。

これが、今回この記事で取り上げた理由です。

理に適ったメカニズムというのは一つではありません。でも基礎となる理屈はあるんです。その一つが重心バランスですね。重心バランスさえ基盤にできれば、いろいろな応用が考えられます。

本当に大切なメカニズムなので、ご存知なかったり忘れてしまっていた方はもう一度思い出して実践してみてくださいね。

この患者さん、最後にもう一つ大切なことを教えてくれました。それは。

正しく覚えるより大切なこと

実は、この患者さん、帰る間際まで「今度は間違わずに覚えなくちゃ!」と繰り返し仰っていました。

もちろん正しく覚えることは大切です。でももっと大切なことがあるんですよ!

そうお伝えしたら「それは何?」と興味を持っていただけました。

それは多少間違えても実践することです。今回もご自分なりに練習して来ていただいたからこそ、改めてポイントをお伝えし直すことができました。

残念ながら、全然練習していただけない方には、こちらがどれほど真剣に大切なポイントをお伝えしても届くこともその場で実感していただけることもほとんどありません。

だから多少違っててもちゃんとご自宅で練習して来ていただけることがありがたいんですよ~。

そのようにお伝えすると「なるほどね~。なんかやる気出たわ」と言いながらお帰りになりました。

また次の機会に、別の気づきをお伝えいただけることがとっても楽しみです。

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