腹式呼吸で軽くなる股関節の違和感|体のお悩み解読

体のお悩み解読

はじめ鍼灸整骨院では『東洋医学とストーリーで体の悩みを読み解く』ことを大切にしています。

体にかかっている無理や負担、ストレスを放置していたら傷口にヤスリをかけ続けているようなものですよね?

そのままでは、どれほど鍼灸に一生懸命通われても、痛みや不調が軽くなるとは考えにくいのです。

まずは、痛みや不調を軽くするためには、まずはその体にかけている無理や負担、ストレスを見つけることが初めの一歩。

その無理や負担、ストレスは、立ち方や歩き方など姿勢の悪さかも知れませんし、重いものの持ち方や除雪作業などの習慣やクセかも知れません。

しかし、これらを見つけることができれば、あなたの痛みや不調の半分は軽くなったも同然です!

そのためには患者さんの協力が必要不可欠になります。

この記事では、はじめ鍼灸整骨院ではどのように身体のお悩みを東洋医学とストーリーで読み解いていくのかお話していこうと思います。

今回取り上げるのは、70代女性の右脚の太ももの違和感。それも腹式呼吸をしたら軽くなると言います。

さあ、どんなストーリーが見えてくるでしょうか?

股関節まわりの違和感が軽くなった方法

普段は腰の痛みを中心に施術している患者さん。

今日は右側の股関節に近い太ももの周りも気になると言います。股関節から見るとちょっと前側と外側寄りのようです。

今は冬なので、雪道を転ばないようにおっかなびっくり歩いていると言います。滑って転ばないのはやはり大切です。

そのように歩いているときに、ふと腹式呼吸するように歩いたら腰も右の太もももなんか楽というのです。

ここまで話を聞いて「ん?」と私は思いました。

バランスが悪いと股関節の不調に

意識の持ち方を変えることで痛みの感じ方が変わるのなら、それは筋肉や身体の使い方の問題が関わっていると考えて良さそうです。

でも右側だけに違和感が出ているのが今ひとつ腑に落ちません。

股関節まわりの筋肉の違和感や痛みは重心バランスが崩れているときに起きやすい特徴があります。前側や外側が気になるときは、重心も前側や外側に偏っていることが多いのです。

そこで質問してみました。

右脚だけ違和感を感じた理由

「お話を伺っていると、雪道をおっかなびっくり歩いているときに右脚に重心を預けながらというか、右脚に頼りながら歩いていて右に多く負担がかかっているように思えるのですが」

というと、患者さんは手を叩かんばかりにしてお話してくれます。

「それは、身に覚えがあります! 以前に反対側の左膝を痛めてから、左脚を庇って右脚に体重をかけるように歩いてるの」

聞けば、左の膝の痛みは今はさほどではないようですが、左脚を庇って右脚に体重をかけるのが習慣になっているようです。

そこで腹式呼吸のお話と合わせてご説明しました。

腹式呼吸をすると股関節が楽になる?!

腹式呼吸をすることで股関節まわりが楽になることがあります。これは特に普段、太ももの前側や外側に頼って歩いている方に多いようです。

あなたは股関節の筋肉のうち長いのは、上はどこまで届いているかご存知でしょうか?

実は胸とお腹を分けている呼吸筋、イコール横隔膜に接するところまで続いています。大腰筋というその筋肉が横隔膜のすぐ近くまで続いているというのはヒントなんですね。

腹式呼吸をすると横隔膜が動きます。するとそのすぐ近くの大腰筋も働きやすくなります。大腰筋が少しでも働けば、太ももの前側や外側の筋肉の負担も少なくなります。

お腹に意識がいくことで右脚にかかっていたバランスが幾分か修正され、太ももまわりの筋肉の負担が少なくなったことで歩きやすくなったんでしょうね、と。

この患者さんのすごいところは、何と言ってもご自分でお腹を意識し始めたところですよね。

股関節の動きを軽快にするポイント

お腹を意識し始めた理由を尋ねてみたら「なんとなく、そうすると楽かなと思って♪」とのこと。

私には知識と試行錯誤の経験がありますので、言われてみれば「お腹を意識すれば良いかも」と思います。

でもこの患者さんは直感ですからね。その閃きをお持ちであることがとても羨ましく感じます。もちろんお腹の意識を高めることは続けていただきました。

ここまで股関節まわりの違和感や痛みについてお話してきました。

ポイントは、歩くときの姿勢や重心バランスが前寄りだったり外寄りだったりすると股関節の動きが悪くなって負担が溜まりやすくなるということですね。

筋力低下も問題になることはもちろんありますが、案外そうでないこともあります。

筋力や柔軟性ももちろん大事なのですが、関節を筋肉でガチガチに固めたままで歩いたり運動したりし続けると違和感や痛みが出てくることがあるのです。体を支えようと頑張っているところを無理やり動かし続けると、ついには傷んで悲鳴をあげるようになってしまうんですね。

重心バランスを重視した姿勢をトレーニングすることで、関節を筋肉でガチガチにしないで立ったり歩いたりできるようにもなってきます。

股関節のお悩みで忘れてはいけないこと

筋力や柔軟性は大事ですが、そこに頼りすぎることは当院ではお勧めしていません。

この患者さんのように身体が本来持っている機能を使いこなすことに興味を持ってくれる方が一人でも増えたら嬉しいな、と思っています。

最後にもう一つ大事なこと。

関節の中の軟骨は修復しにくいとされます。ですので股関節の軟骨が完全にすり減って手術が勧められているような場合にはこのような重心バランスや姿勢、東洋医学では対応が難しいこともあります。

そうなる前にお早めにご相談くださいね。

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