
武術に本気で取り組み始めてからも私はガンガン筋トレを続けていました。でも、あるとき気づいてしまいました。
師範の技は筋肉による力技とは根本的に違う。
筋力の積み重ねでは、その域には到底たどり着けない。
仮にたどり着けても、筋力に頼った技は筋力が衰えたときに技も衰えてしまう。
というか、そもそも目指そうとする方向が最初から違うので、このままでは進めば進むほど望んだ技や動きから離れていく。
こんな風に気づいてしまったとき、あなたならどうしますか?
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かなり迷いましたが、私は数年間一日も休まず続けていた筋トレを一切やめました。
せめて、筋トレをしても技を壊さないくらいまで動けるようになるまでと思って。
すると、それまで筋力で何とか形になっていた技が、力に頼らなくなったことでパフォーマンスも落ちました。
このまま続けて良いのかまた悩みました。
でも力に頼っては辿り着けない領域があることだけは確信していました。
だから「この道でダメだったら、一生を棒に振っても構わない」その一心でした。
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以来、25年以上一日たりともトレーニングを欠かしたことはありません。
その結果、私はアラフィフになった現在でも自分の上達を楽しめています。
思いがけなかったことですが、こんな凡人の私でもこれまでに幾度か俗に言うゾーン状態も経験できました。
このような身体や動きを大切にするために、薬や手術という獣医師の一般的な手法を捨て、はり灸の道を選びました。
今では、筋力が衰えることに対する恐怖は全くありません。
筋力に頼らなくても、姿勢を保ち、動ける方法があることを知っているからです。
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年とって、筋力が衰えるのは当たり前。
だから筋力を鍛えておかなくちゃいけない。
それも自然な考え方ですよね。
でも今の私の考え方は違います。
大切なのは、筋力が衰えても困らない身体のコントロールを、身体が動くうちに習得しておくこと。
そのために必要なのは、発想の転換。
●筋トレすれば体はもっと動く?
●まだ若いから思いのまま体をコントロールできる?
●前進するためには足を前に出さなくてはいけない?
●リラックスとはのんびりした時間を過ごすこと?
●運動センスは生まれつき決まっている?
あなたの常識もちょっと疑ってみませんか?