先日、2度目に来院された患者さん。膝が痛くて来院されたのでお話を伺いました。
「前回、十段階評価で6の痛みでしたが、今日はどうですか?」
その答えは私もびっくりの以下のようなものでした。
「先生、痛みがほとんどないんです!」(←※効果の感じ方には個人差があります。)
「痛まないんですか?! それはすごいですね!」
「でも、なぜですか? 軟骨とか骨(棘)が治っているわけではないですよね?」
「鍼灸は身心をリラックスさせて緊張を和らげることでご自身の治癒能力を発揮してもらう技術ですが、骨(棘)も一週間で治ることはないですし、そもそも軟骨は血流が少ないので治りにくいとされています。ですので、軟骨とか骨が治ったから痛みが軽くなったというわけではないでしょうね。
確かにこのように劇的な変化が起こると確かに不思議に感じますが、魔法でも手品でもなくて、ヒザにしても股関節にしても、実は明確なメカニズムがあるんです」
「メカニズムですか?」
「メカニズムをご説明する前に伺いたいんですが、きっと前回から今日まで私がお伝えした体操というかケアにかなり本気で取り組んでいただきましたよね?」
「えーと……はい」
「ですよね!
そうじゃないと、ここまで劇的な変化は起こらないんです。それでは、そのメカニズムについてご説明しましょう!」
お医者さんも知らない立ち方・歩き方のメカニズム!
大切なことは、立ち方・歩き方には良い立ち歩きと悪い立ち歩きがあるということ。
予めお伝えしますが、ただ姿勢が良いとか悪いとかとは全く別のお話です。
そもそも立ち方や歩き方に良し悪しがあるなんて考えたことがありますか?
上手い下手があるなんて聞いたことがありましたか?
学校の体育の授業でも教えてくれないですよね?
そうなんです。
実は、鍼灸マッサージ師や柔道整復師の専門学校でも、大学の医学部でも教えてくれません。
だから、ご存知なくて当然なんです。
あなたは知っている?2種類の立ち方・歩き方の違いとその影響

私自身はセルフケアを35年間、そして武術の稽古を28年間1日も休まずに稽古し、学び続けています。
自分の身体やココロに対して学びや発見がない日がないくらいです。
そういう積み重ねがあるからこそお話しできるメカニズムがあるんです。
それがどういうことかというと、この良し悪し2つの立ち方歩き方は、メカニズムというか使っている筋肉や関節のコントロールが真逆となっています。
真逆の動きなのに、一見同じように立ったり歩いたりできてしまうというのがポイントです。
(良い立ち方・歩き方は他にもありますが、分かりやすくここでは良し悪しの2種類に分類しています)
良い立ち歩きではヒザや股関節への負担が少ないのですが、悪い立ち歩きでは負担が大きくなります。
この良し悪しの違いは、立ち方歩き方のメカニズムが真逆という違いが根底にあるのです。
なので、立ち方歩き方を理想的に切り替えられた場合にはヒザや股関節への負担の大きさが劇的に変わります。
もちろんヒザや股関節の痛みまで変わる可能性だって少なくありません。
学校では教えてくれない!正しい立ち歩きのメカニズムを知ろう
私自身はそういうメカニズムの違いの重要性を身に沁みて理解していますので、患者さんにも本気でお伝えしています。
でも普通は、立ち方歩き方に良し悪しがあるなんて体育の授業でも聞いたことないし、そもそもそんな自分ができる程度のケアや注意でそこまで痛みが変わるなんで考えたことがありません。
だから、みなさん、そこまで真剣には取り組んでいただけないことが多いんですね。
痛みが軽くなったらやめてしまって、また痛みが復活してしまうなんてことも普通です。
仕方ないとは思いますが、本当に勿体ないことだとも思います。
せめて学校の体育の授業でも「立ち方や歩き方が悪いとヒザや股関節の痛めやすくなるぞ」くらいお話をしてもらえたら、もう少しヒザや股関節の痛みに悩む方が減るのではと考えています。
継続の力!正しい立ち方・歩き方を続けることで得られる効果

「お伝えしたケアをかなり本気でやっていただいたんじゃないですか?」
最初にそうお尋ねしたのは、そういう思いがありました。
あの立ち方歩き方に本気で取り組んでいただければ、痛みが劇的に変化することは不思議でもなんでもありません。
ただし、先ほどもお伝えしましたように、骨や軟骨が治っているわけではありません。
痛みがないからと言って、油断すると再発します。
だから、是非そのまま立ち歩きの注意を継続してくださいね。
痛みを劇的に軽減!今すぐ実践できる膝・股関節ケアの方法

そうお伝えしました。
本気でお伝えしたことを真剣に受け止めていただけるのは、やっぱり嬉しいものですよね。
真剣に取り組んでいただけるから成果が出ます。
成果が出るから続けていただけます。
本当にありがたいことです。
もちろんこの方だけではありません。
同じように立ち方・歩き方を鍼灸と併用することで、70代女性の股関節の痛みも、運動する度に腫れていた50代女性のヒザの痛みも軽くなっています。
次はあなたの番かも知れません。