経過の長い痛みの場合は特に痛いところだけを診るような施術はしません。
以前からの痛みで病院での検査でも問題ないと言われるようなケースでは、姿勢や習慣・クセが大きく影響していることが少なくありません。
だから難しいことを承知の上で患者様にお尋ねします。
「こういうときに痛みが出やすいとか、特定のことをしたときに痛みを感じやすいとかありませんか?」
痛みの部位がはっきりしているときは「こういう動きをどこかでやっていると思うんですよね」と例示できることもあります。
でも正直に言って、自分の体に目を向けることが習慣になっている私でもすぐに答えを出しにくい質問です。最初から自分で探すことを諦めてしまう患者さんも少なくありません。
でもご自分の身体とココロに目を向けて欲しいから、なるべくこの質問を投げかけるようにしています。
もちろん中には次の施術の際、長い人では数ヶ月経ってから「先生あった!本当にあった!」と教えてくれます。
「お茶を飲もうとしてポットからお湯を注いでいるときがその動きだった!」
「何をするんでも気がついたら無意識にその動きしてた! それは学生時代やってたスポーツの影響だと思う!」
患者さんが自分の身体とココロに向き合い始めた瞬間です。こちらまでテンションが上がってきます。
ここまで来ると、もっとその患者さんのことが見えてきます。
お茶がお好きなんだな。
学生時代、そのスポーツに打ち込んでたんだな。
今回は痛みのきっかけの一つだったかも知れない。でも、それもあなたのストーリー。