鍵盤を押すように動かすと痛む親指|体のお悩み解読

上半身
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体にかかっている無理や負担、ストレスを放置していたら傷口にヤスリをかけ続けているようなものですよね?

そのままでは、どれほど鍼灸に一生懸命通われても、痛みや不調が軽くなりません。

そこではじめ鍼灸整骨院では『東洋医学とストーリーで体の悩みを読み解く』ことを大切にしています。

まずは、痛みや不調を軽くするためには、まずはその体にかけている無理や負担、ストレスを見つけることが初めの一歩。

その無理や負担、ストレスは、立ち方や歩き方など姿勢の悪さかも知れませんし、重いものの持ち方や除雪作業などの習慣やクセかも知れません。

しかし、これらを見つけることができれば、あなたの痛みや不調の半分は軽くなったも同然です!

それらを見つけるためには患者さんの協力が必要不可欠になります。

この記事では、はじめ鍼灸整骨院ではどのように身体のお悩みを東洋医学とストーリーで読み解いていくのかお話していこうと思います。

今回取り上げるのは、80代女性の親指の痛み。

どんなストーリーが見えてくるでしょうか?

鍵盤を押すように親指を動かすと痛む

一通りの施術が終わったあと、思い出したように患者さんが口にします。

「先生、親指が痛むんです」

「なるほど、何か思い当たる原因はありますか?」

ご年配だが、自分の身体を観察することがとても上手な患者さんだ。

何か思い当たることがあるかも知れない。

「原因は分からないんです」

いくつか動きを確認していただくと、親指で鍵盤を叩くように親指を下げる動作で親指が痛むという。

押して痛む部位を確認しても筋肉や腱の関連が痛むようだ。

日常的にご自分でできるケアや体操は積極的にやってくださる患者さんなので、運動不足ということも考えにくい。

そこで「普段の生活で、親指でピアノを弾くような動きをしている可能性が高いです。ちょっと観察してもらってもいいですか?」とお願いする。

「分かりました」

痛みがある部位にお灸をしてその日は終了。

その後、何度かご来院いただいたが親指の話が出ることもなく、私もすっかり忘れてしまった頃、思い出したように患者さんが教えてくれました。

すっかり忘れた頃に出てきた真実

「先生、親指の話を覚えてますか? やっと痛みの原因が分かったんです。ポットが上から何度も押してお湯を出す形式のポットなのですが、お茶を飲むたびにポットのボタンを親指で押していました!」とのこと。

そして「親指を使わないよう工夫してたら、痛くなくなりました」と仰います。

カルテを遡ってみると既に3ヶ月前のお話でした。

3ヶ月間、丁寧にご自分の身体や動作を観察していただいたんですね。

本当に頭が下がります。

結果としてこの患者さんは、ご自分で親指の対処法を見つけてしまったということですね。

改めてお伝えしますが、80代の患者さんですよ。

自分の身体に向かい合うということは、いくつになっても可能なんですね。

若い私たちも「まだまだ負けてられないな」と思わせていただいたお話でした。

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