総合的なアプローチで健康追求─ストレス対策にも役立つ漢方薬と鍼灸

漢方薬はインスタントコーヒーのように 全身・内臓

実は先日、少し体調を崩してしまいました。

幸い大崩れはしなかったが、まだ体の芯の重さが残ります。

こんなときは、東洋医学者の端くれとして自分で鍼灸をしたり漢方薬を飲んだりすることが多いです。

鍼灸師なので知識はあっても人に処方することはできないのですが、今の自分の体調に合う漢方薬やツボを探すのはなかなかに楽しいパズル的作業です。

というわけで、今回は院長の不養生をネタもとい参考に、漢方薬や鍼灸の知識を健康に活かす方法についてご紹介します!

漢方薬の飲み方のコツ

通常、体調を崩したあとの回復期には、柴胡桂枝湯が自分には合うことが多い。今回も、脈を確認した上で最初は柴胡桂枝湯を選択。

柴胡桂枝湯はモノの本には「どの処方を選んだらいいか分からないときはとりあえず選んどけ」みたいに書かれる便利な処方。

味を見やすいようにお湯に入れて溶けないまでもかき混ぜながら、インスタントコーヒーのように飲む。

これが名前に「湯」が付いている漢方薬を飲むときのコツだ。

今回は柴胡剤が合わない

柴胡桂枝湯はいつもなら甘みを感じて飲みやすいのだが、今回は苦味を感じる。

「う〜ん、合ってないか?」

口の中の苦味もあるし、胆の脈も出てる。柴胡剤だと思うんだけどな。

そうしたら小柴胡湯を試してみるか。

しかし小柴胡湯もやっぱり苦い。体が喜んでくれる感じがしない。

そこで基本に戻ってみる。

基本に戻って考える

四肢や体の重さは、脾(胃腸系)の不調と考えるのがセオリー。そして陰主陽従で、まず胃腸を整えてみるか。

東洋医学の臓腑経絡理論で考えるなら、柴胡剤も胃腸系(脾虚)だし。

そうしたら小建中湯かな。体の奥に熱がこもってる感じがあるから、黄耆建中湯にしてみるか。

たまたま子ども用に買った黄耆建中湯が残ってるし。

▲普通の家庭にそんなものは残ってない😆▲

今回、体に染み渡った処方は?

「お!これは!!」

飲んでみると、黄耆建中湯が体にスーッと染み渡る感じがする。

飲んだ後は多少体も軽く感じられるようだ。

「しばらく黄耆建中湯か小建中湯を続けてみようか」

どんな変化が出てくるか楽しみという、ある鍼灸師の遊びの話。

漢方薬と鍼灸をつなげるもの

実は、漢方薬の理論と鍼灸の理論は関連づけられることは多くありません。

漢方薬を知らない鍼灸師の方が多いですし、漢方薬を知っていればツボや鍼灸が分かるかというと案外そうでもない。

漢方薬と鍼灸を繋げるヒントになるのが臓腑経絡理論。

先ほどの小柴胡湯などは脾虚肝実熱証。

小建中湯は脾虚胃虚熱証。

これが分かると、鍼灸をする際のツボを選ぶことができるんですね。

漢方薬はまずい?

あなたは漢方薬が美味しいと感じた経験はありますか?

そもそも飲んだことはありますか?

ぜひ、教えてくださいね。

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