ストレッチや筋トレでは、はり灸要らずの体が手に入らない理由

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はじめ院長
はじめ院長

前回は、健康状態のチェックをした後、はり灸要らずの体をつくるためのポイントを確認しましたね。

貫地谷秋美
貫地谷秋美

はい! はり灸要らずの体をつくろうとする前に、今自分の体が専門家に相談すべき状態かどうか確認しました。

はじめ院長
はじめ院長

そうでしたね。はり灸要らずの体をつくるためのポイントは覚えていますか?

貫地谷秋美

え〜と…専門家に相談した方がいいか判断できることと、多少の痛みや体の不調を自分でケアしたり調整したりする技術を持つこと。あとは…?

はじめ院長
はじめ院長

お、いいですね! あとは、体の変化を早めに察知できることです。早めに体の変化を察知できれば、未病になったときもその分早く察知できることに繋がりますから。実は、これが今日のお話の大きなポイントになります。

貫地谷秋美

前回は「ストレッチや筋トレは、はり灸要らずの体づくりにはほとんど効果がない」というところで終わりましたよね?

はじめ院長
はじめ院長

その通りです! では始めていきましょう!

以前は私も筋トレを毎日…

はじめ院長
はじめ院長

実は私はストレッチは30年以上1日も休まず続けていますし、若い頃は筋トレも毎日していたものです。

貫地谷秋美
貫地谷秋美

え?! はじめ先生がですか? それはちょっと意外です。

はじめ院長
はじめ院長

合気柔術を始めてからもしばらくは続けてましたね。当時はストレッチや筋トレをしていれば、動ける体、使える体を維持できると考えていましたから。

貫地谷秋美

ということは違うんですか?! 私もそう思っていたので、前回筋トレやストレッチが必要なのかなと考えたんです!

はじめ院長
はじめ院長

自分がストレッチや筋トレをやっていた人間なのであえて言いますが、私にとってストレッチや筋トレは体を感じること、体の使い方の根本を改善することには全くと言っていいほど関係ありませんでした。

貫地谷秋美

そうなんですか…かなりショックです…

はじめ院長
はじめ院長

正直、これはご自身で経験しないと話を聞いただけではなかなか実感できないお話しだと思います。そこをできるだけ分かりやすくお話ししてみましょう。

知らないと絶対損! ストレッチの落とし穴!

はじめ院長
はじめ院長

立位体前屈を例にしましょうか。貫地谷さんは立位体前屈はやったことはありますよね?

貫地谷秋美

ありますけど、そんなに柔らかい方ではありません。

はじめ院長
はじめ院長

実は、当院で体の使い方のポイントをいくつか指示するだけで、その場で立位体前屈が5〜10cm程度も柔らかくなる方が何名もいらっしゃいました!

 
貫地谷秋美

その場でって! だってストレッチって続けることで柔らかくなるものじゃないんですか?

はじめ院長
はじめ院長

そこがストレッチの落とし穴なんです。上の図を見てください。

貫地谷秋美

私は、右の硬い方です…

はじめ院長
はじめ院長

なるほど、それなら希望がありますよ

貫地谷秋美

え?! だって硬い方ですよ? ダメなんじゃないですか?

はじめ院長
はじめ院長

立位体前屈で硬いとおっしゃる方のほとんどがこの右のタイプです。悲観する前にちょっと下の図もご覧ください。何が違いますか?

貫地谷秋美

何って、赤い線が書き込まれてます。

はじめ院長
はじめ院長

そうです。右の図では背骨に沿って体幹の部分にも直線があるのが分かりますね。これがポイントなんです。

貫地谷秋美

背骨の線がですか?

はじめ院長
はじめ院長

これ、右の図では背骨を一生懸命曲げて立位体前屈をやろうとしてるんですよ。これは2つの理由からダメなやり方なんです。1つは背骨はあまり動かない関節であるということ。

貫地谷秋美

可動域が小さければ、頑張っても曲がらないですね!

はじめ院長
はじめ院長

その通りです! もう一つは、曲げようとしている位置が高すぎること。貫地谷さん、もっと低い位置にもっとよく動く関節はありませんか?

貫地谷秋美

低い位置にもっと動く関節、ですか?

はじめ院長
はじめ院長

そう。左の図では、どこから曲げているように見えますか?

貫地谷秋美

分かった! 股関節ですね!

はじめ院長
はじめ院長

正解です! 立位体前屈のとき背骨から曲げようとしている人は、そのやり方で100年頑張っても立位体前屈が柔らかくなることはありえません。根本的な体の使い方が間違っているからです。でも、股関節から曲げることを覚えれば…

貫地谷秋美

毎日少しずつやっていれば、柔らかくなる可能性があるんですね!

はじめ院長
はじめ院長

そういうこと! つまり立位体前屈を柔らかくしたいと思ったら、柔軟性だけを目標に毎日続けることよりも股関節から曲げるという体の使い方に気がつくことが最優先なんです。そこにさえ気がついていれば、やればやっただけ変化を感じることができるでしょう。

貫地谷秋美

ということは、さっき先生が「その場で柔らかくなる」とお話しされたのは、体の使い方を指導されたんですね!

はじめ院長
はじめ院長

それも正解です(笑) その場で5〜10cmも変化したのは、柔軟性が変わったからではなく、股関節から曲げられるようになって体の使い方が変わったからです。面白いでしょう?

すっごい面白いです! そしたら私も股関節から曲げられるようになれば立位体前屈が変わりますか?

はじめ院長
はじめ院長

変わる可能性が高いと思いますよ。

嬉しい!!!

はじめ院長
はじめ院長

だからさっき希望があると言ったでしょう?

はい! 本当にそうでした。ところで筋トレも同じなんですか?

あなたはなぜ筋トレをやるのですか?

はじめ院長
はじめ院長

逆にお尋ねしましょう。筋トレをしようと思うのはどんな場合ですか?

貫地谷秋美
貫地谷秋美

筋力をつけたいときだと思います。

はじめ院長
はじめ院長

ではどんなときに筋力をつけたいですか?

貫地谷秋美

力が必要なときですから、スポーツでもっと強くなりたいときとか、体力が低下して足腰が弱くなってきたときとか?

はじめ院長
はじめ院長

ただ見栄えが良い筋肉を身につけたいという動機もあるかも知れませんし、筋トレは血液のめぐりを良くするとも言いますね。

貫地谷秋美
 

ということは、血流を上げたいときや冷えにもいいんですね。

はじめ院長
はじめ院長

一応そういうことにしておきましょう。

貫地谷秋美

一応、ということは、これも違うんですね!

筋力が低下したから歩けなくなる、は本当なのか?

はじめ院長
はじめ院長

そういうことです。では少しずつ話をしていきましょう。例えばこんな方がいらっしゃいました。70代後半の女性なのですが腰が痛いこともあり足元が覚束ず、杖などの支えなしでは歩けませんでした。そこで当院のはり灸と体操指導を受けられました。

貫地谷秋美
貫地谷秋美

どのような結果になったのですか?

はじめ院長
はじめ院長

その結果、80代になられた現在は家の中では杖や支えなしで歩けるようになってきて「数年前より今の方が全然元気!」とお喜びいただいています。さて、問題です。この方はなぜ歩けなかったのでしょう?

貫地谷秋美

やっぱり筋肉の低下が関係しているような気がしてしまいますが…

はじめ院長
はじめ院長

私だって、筋力の低下が無関係だなんて言うつもりはありません。しかし、当院でこの方に指導した運動や体操には、ストレッチや筋トレはほとんど含まれていません

貫地谷秋美

え?! ストレッチや筋トレなしで歩けるようになったんですか?! では、体の柔軟性や筋力は全く関係ないんですか??

はじめ院長
はじめ院長

先程も言いましたが、全く関係ないとは考えてません。でも、体の柔軟性や筋力よりも優先するべき点があるだろうとは考えています。

貫地谷秋美

それがストレッチのときと同様に体の使い方なんですね!

はじめ院長
はじめ院長

そういうことです(笑)この方は筋肉が無駄に緊張してバランスが悪くなっていたために効率よく力を使えなくなっていたことで歩けなくなっていたのです。

貫地谷秋美

ということは、はり灸による全身の調整と併用して、無駄な緊張をほぐしバランスを良くできれば歩けるようになるということですか?

はじめ院長
はじめ院長

それくらいのお年の方でも無理なくできる体操なのに、体をリラックスさせバランスを取り戻すことのできる体操があるということです。この方はこれらの体操を「楽しい〜! 気持ちいい!」と仰って、本当に熱中して取り組んでくださったんです。

とっても素敵な方ですね! それにシニアの女性でも楽しく取り組めて気持ち良くやれる体操なんですね!

はじめ院長
はじめ院長

そうなんです! ですので、言われたから仕方なく体操をやる方よりも、体を動かす楽しさや気持ちよさを感じられる人に効果が出やすいということろはありますね。効率良く理に適った体の使い方ができるようになると、体を動かしているだけでとても気持ち良くなってくるんです。

貫地谷秋美

気持ち良い動きなのに歩けるようになるんですね!

はじめ院長
はじめ院長

違いますよ。気持ち良い動きだから歩けるようになるんです(笑)この方のお話はいくつかのことを教えてくれます。ちょっとまとめてみましょう。

貫地谷秋美

私が感じたのは、ご年齢には関係ないんだなということですが…?

ストレッチも筋トレもなしに再び歩けるようになったワケ

ストレッチも筋トレもしないで再び歩けるようになったワケ
  • 柔軟性や筋力に頼りすぎない理に適った体の使い方を考えたこと!
  • 年齢や性別に関係なく無理なく楽しんでできるくらいのシンプルな体操で、体の使い方は変えられるということ!
  • 体の使い方を変えるには、体の状態や気持ち良さを実感しながら運動すること!
はじめ院長
はじめ院長

いかがですか?

 
貫地谷秋美
貫地谷秋美

これ素敵ですね! だって、運動が苦手な方でもご年配の方でも希望があるということですもんね!

 
はじめ院長
はじめ院長

その通りです! ただ通常は遅くても50〜60歳代くらいまでに始めるとスムーズに取り組めるようです。もう少し見てみましょう。今回は、シニアの女性の歩きについて考えましたが、この歩きをパフォーマンスとして考えてみましょう。

貫地谷秋美

パフォーマンスというとスポーツ選手とか音楽とかのイメージがありますが…?

はじめ院長
はじめ院長

その方が持っている能力を発揮している状態をパフォーマンスと考えれば、杖がなければ歩けない状態も、杖なしで歩けるようになった状態も、その方にとってのパフォーマンスと言えるものだと考えています。

貫地谷秋美
貫地谷秋美

すると今回のおばあさんのお話は、歩くというパフォーマンスが改善されたと考えることができるんですね!

はじめ院長
はじめ院長

先程、筋トレをおこなう動機について考えましたが、パフォーマンスの改善や上達にはストレッチよりも筋トレよりも優先させて体の使い方を考えた方が良い場合があると言えます。

貫地谷秋美

ストレッチや筋トレでは体の使い方は改善されないんですか?

はじめ院長
はじめ院長

とても良い質問ですね。実は…

ストレッチや筋トレでは体の使い方は本当に変わらないのか?

はじめ院長
はじめ院長

もちろん丁寧にストレッチや筋トレをやれば、身体の使い方も変わってきます。決して多くはありませんが、ストレッチや筋トレで体の使い方にまでアプローチできる方もいます。

貫地谷秋美
貫地谷秋美

なぜストレッチや筋トレでは体の使い方にアプローチするのが難しいんですか?

はじめ院長
はじめ院長

ストレッチは体の柔軟性、筋トレは筋力が主要なターゲットですからそちらに目を奪われてしまって、なかなか体の使い方に目が向きにくいということでしょうね。もう一つ、問題があります。

貫地谷秋美

何ですか?

はじめ院長
はじめ院長

仮にストレッチや筋トレだけで体の使い方を学べるようにしたいと考えた方がいたとします。でも、それはストレッチや筋トレに関係した体の使い方でしかありません。

貫地谷秋美

なるほど、そうなんですね。

はじめ院長
はじめ院長

せっかく体の使い方にまで目を向けられたなら、ストレッチや筋トレに固執してしまうのはとても勿体ない! ストレッチや筋トレ以外にも本当にいろいろな体の使い方がありますので、好奇心を持って探究されるととても興味深いものですよ!

貫地谷秋美

体の使い方が変わると具体的にどのような変化・効果が出るのか、そのおばあさん以外のお話も聞いてみたいです!

 
はじめ院長
はじめ院長

ご興味を持っていただいて嬉しいです。当院では施術時の運動指導はもちろんですが力を抜いてバランスの良い体の使い方を効率良く学べるようにカリキュラム化しています。それらを実践されている方々のお話を簡単にご紹介しましょう!

力が抜けたバランスの良い体の使い方で変わることとは?

貫地谷秋美
貫地谷秋美

え?! こんなにいろいろな効果があるんですか?!

はじめ院長
はじめ院長

当院ではセルフケアや体の使い方をはり灸などの施術の際にお話しすることもあれば、ゆるふわ身体づくりとして体系的にお話しすることもあります。これらはそのような方々からいただいた感想です。

貫地谷秋美

それにしても健康からダイエット、武道や音楽…。本当にこんなにいろいろな効果が出るものなんですか?

はじめ院長
はじめ院長

不思議に思われるのも当然です(笑) 当院では、セルフケアに重点を置いた調整法としては操体法、無駄な力の抜けたリラックスした体の使い方としてはゆる体操を中心にお話ししています。少し詳しくみてみましょうか?

貫地谷秋美

お願いします!

はじめ院長
はじめ院長

はり灸要らずの体づくりを考えたときに、いただいたご感想の中で一番大事なのはどれだと思いますか?

貫地谷秋美

う〜ん……と?

はじめ院長
はじめ院長

実は「体の変化を感じやすくなった!」というご感想なんです。なぜ大切かと言えば、体の変化を感じられるようになると軽い違和感や痛みも感じられ流ようになります。つまり未病に気がつきやすくなりますので、はり灸要らずの体に近づくというわけです。

貫地谷秋美

ちょっと待ってください! 体の使い方を変えると体の変化に気が付きやすくなるんですか?

はじめ院長
はじめ院長

分かりにくいですよね。体の使い方を変えるということは、これまでの体の使い方を自覚・修正して、初めて変えられるんです。つまり体の使い方を変えるためには自分の体を感じながら身体を動かすことが必要なんです。

貫地谷秋美

なるほど! だから体の使い方を変えると体の変化を感じやすくなるんですね!

はじめ院長
はじめ院長

実は、体の変化を感じやすくなると、もう一つ別の効果も生まれてきます。

貫地谷秋美

え? なんですか?。

はじめ院長
はじめ院長

痛みや違和感などの悪い方への変化だけでなく、痛みが減った、体が軽くなったなどの体調の良い方への変化も感じやすくなるんです。つまり、セルフケアやはり灸などの調整をする際にも体の変化や効果を感じやすくなるんです。

貫地谷秋美

ということは?

はじめ院長
はじめ院長

ちょっとした痛みや違和感にすぐに気がついてケアできるので体調を大きく崩さなくなります。さらに言えば、はり灸を受けても効きやすくなるということですね(笑)

貫地谷秋美

え?! すごい!!

はじめ院長
はじめ院長

面白いでしょう? 他のご感想も見てみましょう。無駄な力が抜けて効率良く体が動かせるようになりますし、筋肉の使い方もメリハリがつけられるようになりますので血流もアップしますから体が楽になりますし、もちろん健康にも良いですね。

貫地谷秋美

なるほど! 先程筋トレのところでも血流の話が出てきましたね。

はじめ院長
はじめ院長

覚えてましたね(笑) 筋トレだと筋肉を緊張させることに一生懸命で、ゆるめることが難しい場合があるんです。筋肉は緊張と弛緩のメリハリがあって初めて血流が良くなりますから、そのような筋トレだと血流アップの効果も限定的になってしまうことがあるんです。ダイエットの方は多少の食事制限も加えたというお話でしたが、体の使い方の一環としてお話ししている呼吸法などで代謝が良くなった影響も大きいと考えられます。

貫地谷秋美

そういうことだったんですね! あと月経のお話も気になります。

はじめ院長
はじめ院長

特に女性は気になりますよね。実は、ゆる体操を利用した月経血コントロールが発表されています。ゆる体操でお腹も含めた内部環境が整ってくると、月経も軽くなるという方法です。そしてお腹が整えば、妊娠する可能性も高まるわけですね。

貫地谷秋美

体の使い方から月経や妊娠のお話になるとは思いませんでした!

次回は、多彩な効果がみられるたった一つの理由!

スポーツ・文化
はじめ院長
はじめ院長

その他にも、三味線や武道の稽古の感想もありました。

貫地谷秋美
貫地谷秋美

健康のお話だけかと思っていたんですが、音楽やスポーツ・武道なども出てきて驚きました。やっぱりどこかで繋がってるんですよね?

はじめ院長
はじめ院長

体の使い方が根本から変わってきますから、身体を使う全ての運動に影響が出るのは極めて自然なことですよ。

貫地谷秋美

音楽などは精神的な部分も大きそうですけど?

はじめ院長
はじめ院長

もちろんそうですよね。でも例えば三味線を演奏するという行為は身体運動そのものです。それに肩の力を抜くという言葉がありますが、体の緊張を解くという意味もありますが、ココロの緊張をほぐすという意味もあります。

貫地谷秋美

そうか! そう考えると身体とココロの境界がずいぶん曖昧になりますね。

はじめ院長
はじめ院長

そうなんです! 今回は深入りはしませんが、身体とココロの関係もとても大きなポイントです。この辺りを踏まえると、無駄な力を抜いたバランスの良い体の使い方が健康にも、スポーツなどの身体運動にも、音楽などの芸術にも良い影響を与える理由が見えてきます。

貫地谷秋美

え?! それはなんですか?。

はじめ院長
はじめ院長

それは…といきたいところですが、長くなったのでまた次回としましょう(笑)

貫地谷秋美

またですか〜。次回が待ち遠しいです…

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