大東流合気柔術と旭川市 〜松武舘という存在
旭川市の歴史や文化に触れると、時折、地域に根付いた意外なエピソードが見えてきます。その一つが、大東流合気柔術の歴史と旭川市との繋がりです。
大東流合気柔術は、武田惣角翁が中興の祖とも創始者とも言われる武道ですが、なんとその教えを受け継ぐ道場、松武舘が旭川市にあったことをご存知でしょうか?
この松武舘の存在は、武道に詳しい方でもなかなか知られていないかもしれません。
松武舘を開いたのは、武田惣角翁から教授代理を受けた松田敏美師範。その松田師範の道場が、かつて旭川市の銀座商店街近くに存在していたのです。
私は、帯広市にあった松田敏美師範の直弟子である宝田元信師範の道場「元信館」にも一時期所属していたことがあり、旭川の地に残る武道の歴史にどうしても惹かれるものがありました。
松武舘跡を訪ねて 〜銀座商店街の空気を感じる
そんな松武舘の跡地を訪ねるべく、先日私は銀座商店街近辺を歩いてきました。銀座商店街といえば、明治時代から旭川の商業を支えてきた歴史ある街です。現在も、当時から続く古い商店や店舗が残り、往時の賑わいを感じさせます。
松武舘があった正確な場所は、現在は周囲の方々の生活を考慮してここでの記載を控えさせていただきますが、あの辺りを歩くと、歴史ある建物や街の雰囲気に、かつての道場の面影が重なります。
現代の旭川に残るこの歴史ある商店街の一角で、松田敏美師範が道場を開き、多くの門下生たちに教えを伝えていた姿が目に浮かぶようでした。
古き時代の名残 〜松武館を知る人へ
松武舘が道場として機能していた頃、銀座商店街近辺では、多くの人々が行き交い、商店や市場が活気に溢れていたと想像できます。歴史の波に飲まれてしまったのか、松武舘の道場跡には今ではその痕跡を示すものは何も残っていません。
しかし、もしこの場所での記憶が語り継がれているならば、どこかに松田敏美師範や松武舘について覚えている方もいるのではないかと期待しています。もしかすると、「昔、あの辺りに柔道だか柔術だかの道場があった」という記憶が残っている方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方がいれば、ぜひお話を伺いたいものです。旭川の地に残る武道の歴史を、少しでも多くの人に知っていただき、そして伝えていければと願っています。
まとめ:旭川の歴史と武道の足跡
旭川市には、単なる観光地や商業地の歴史だけではなく、このような武道の足跡も存在しています。松武舘のように、時代と共に消えてしまった場所であっても、そこに刻まれた歴史が完全に忘れ去られることはありません。
旭川市の歴史に興味を持つ皆様には、ぜひ一度、この銀座商店街を歩きながら、過去に思いを馳せていただきたいと思います。
旭川と大東流合気柔術の結びつき、その背景には今の私たちが知るべき多くの物語が眠っているのです。