脳の働きを最適化して身体パフォーマンスを劇的に高める方法

脳の働きを最適化して身体パフォーマンスを劇的に高める方法 東洋医学・生理学・セルフケア記事一覧

あなたは毎日身体を動かしていると思います。もしかしたら「いやー、最近は運動不足で」なんていう方もいらっしゃると思いますが、そんな方でも家事をしたり、移動したりすることはあるでしょう。

ということは、立ったり歩いたり、手や腕を使ったりして、身体を動かしていることになりますよね。

さらに言えば、書類や本に目を通すのも、パソコンを操作するのも、極端な話をすれば夜に布団の上で寝ることだって身体を使わなくてはできません。そう考えると全て広い意味での身体運動と考えることができますよね。

それでは、それらの身体運動をするときにあなたはどのような骨や筋肉を使って身体を動かして、どのように呼吸をしていますか?

そんなことを考えながら日常生活を過ごしている方は本当にごく少数派だと思います。

ここで取り上げたい問題は、筋肉や関節による身体運動はほぼ全て脳の命令で行われているという事実です。

身体とココロの密接な繋がり―ビジネスで成功するための真実

身体とココロの関係の真実

「え? 筋肉が関節を動かして身体運動をおこなっているんでしょう?」

そうお考えになる方もいらっしゃると思います。

しかし改めて筋肉が目的に沿ってコントロールされるためには、中枢神経である脳のサポートが必要なのです。

序章では、さらに脳と身体は情報のやり取りをしているから、感情やココロの働きも含めた精神運動も身体の影響を受けるという解説をしました。それを図に表してみました。大切なことは、身体とココロは完全分離でも完全一致でもないということです。 部分的に重なっているけど、重なってない部分もある。こういう理解をすると身体とココロの関係が見えやすくなってきます。

本章ではこのような脳と筋肉・関節の関係を基に解説をさらに進めていきます。どんどん面白くなりますから、しっかり着いて来てくださいね。

脳が変われば身体が変わる!パフォーマンスを劇的に高める方法

さて、ここまで普段あまり自覚せずに身体運動をしていることを確認しました。つまり、無意識に筋肉を緊張させて肩こりをしていても、姿勢が悪くて腰痛を起こしていてもなかなか気がつけないんですね。

もちろん1章や2章で観て来たような、自分が「肩に力が入っている」ことや「頭に来る」怒り方をしていることはさらに自覚しにくい身体の現象ということになります。

しかしそれらも脳の命令、脳のプログラムによりおこなわれている身体運動なのです。

それでは、そんな自覚しにくい脳の命令による身体コントロールを改善する方法なんて本当にあるのでしょうか?

驚くほど簡単!身体感覚を引き出す3ステップワーク

ここで一つ考えなくてはいけないのは、自覚しにくい身体の感覚を再認識する方法です。そのために再度実際に身体を動かして実験してみましょう!

と言っても難しいことは何もありません。

  1. まずは立って(座ったままでもOKです)全身の力を抜いて気持ちよく揺すってみてください。上手な人も、なかなかお得意でない方もいらっしゃるでしょう。それで構いません。まずは今の揺れ方を覚えておいてくださいね。
  2. 次に手をじゃんけんのグーのようにギューッと硬く握って、もう一度全身を揺すってみましょう。最初の揺れ方との違いを感じてください。
  3. ではもう一度手を開いて全身の力を抜いて、全身を揺すってみてください。揺れ方の変化を楽しんで味わってみてください。

手を握って全身を緊張させたときの揺れ方と、全身の力を抜いたときの揺れ方の違いを感じられましたか?

この違いが身体感覚をアップデートするためにとても重要なんです。次の図をご覧ください。

身体感覚をアップデートし 動きの質を飛躍させる秘訣 

脳のプログラムを改良する唯一の方法

手を硬く握って全身を緊張させると、身体がひと塊になったように感じられます。その状態で全身を揺すろうとしても身体はなかなか上手に揺れてはくれません。

一方で、手を開いて身体をリラックスさせて揺すってみると気持ちよく揺れてくれます。身体がリラックスしているときは全身を細かく感じられたと思います。

脳が身体をコントロールする際、ひと塊となっている身体をコントロールするのと、細かく分かれている身体をコントロールするのでは、どちらがより細かく精確にコントロールできるでしょうか?

もうお分かりですね。全身がリラックスして細かく分かれて感じられている身体の方が、脳はより細かく精確にコントロールすることができるのです。

今回は手という身体の一部分をわざと緊張させて実験をおこないました。緊張させているのは手だけのはずなのに、全身に緊張が影響して揺れ方やコントロールが変化しましたね。

脳のプログラムを再設計し 最高のパフォーマンスを獲得する方法

これを拡大解釈すれば、全身のどの筋肉であっても強く緊張していれば、その筋肉の緊張は全身に影響するということになります。

つまりより細かくより精緻に身体コントロール能力を向上させるためには、全身の筋肉の緊張をゆるめほぐし、各部位を一つ一つリラックスさせていく必要があることが分かります。

筋肉はリラックスしていないと十分な筋力を発揮できませんし、全身をより細かく感じられれば感じられるほど、より細かく丁寧にコントロールできる様になるからです。より細かく身体を感じながらコントロールするようになるということは、当然、脳のプログラミングもより質と機能の向上を求められることになります。

脳のプログラミングが向上し身体コントロール能力が向上するからこそ、全身を揺するだけではなく、さまざまな身体運動や技能も上達しやすくなるのです。

この様に見てくると、脳のプログラムを改良する方法が見えてきますね。それは全身の各部位をリラックスさせてより細かく身体を感じられる様にすること。そうやって再認識された全身の感覚を利用または応用しながら身体をより細かくより精確にコントロールすること。

つまり頭を使いながら身体をコントロールすることで、脳のプログラムを改良することができるようになるのです。

全身のいろいろな場所を感じられるようになるメリットは、脳のプログラミングや身体コントロール能力が向上するだけではありません。

頭の使い方で変わる!身体の動きと知性の相関関係を解き明かす

怒るときに「頭に来る」「腹が立つ」というように身体の部位で、感情の意味合いが変わるように、身体の各部位がこれまで以上に感じられるようになると感情的にも豊かになってきます。

このように見てくると、感じられる身体の部位が増えるということはただ身体の感覚が鋭敏になるという意味合いだけではないことが分かります。身体をより細かく感じられることで、脳は身体をより精緻にコントロールできるようになり、更に精神や感情も豊かになりやすいのです。

脳がより細かく身体をコントロールできるようになり、身体を、そして感情や情報をより細やかにキャッチしやすくなること。それこそがすなわち「頭が良くなる」ということを意味しているのです。

ギューッと筋肉を緊張させ全身を固めて塊として感じている身体は、常に無駄なエネルギーを使用しているため疲れやすく、身体コントロール能力も低下するためケガしやすい身体です。

一方で全身をリラックスさせてさまざまな部位が活性化している身体は、無駄な緊張がなく必要なときに必要な部位を活用できる身体です。

もしあなたが後者を希望されるなら考え方はただ一つです。

セルフケアで身体感覚を磨き トップレベルの実力を習得する方法

セルフケアのサイクル|受動的ケアとアクティブケア

全身のバランスを整え筋肉をリラックスさせながら、身体の感覚を磨いてください。身体の感覚を磨くことで脳がより細かく身体をコントロールできるようになります。感情もより豊かになります。

さらに身体を感覚として認識、自覚していない状態、つまり無意識の状態でもそれらの身体コントロールが維持されるところまで身につけ、習熟できるようになることが次の目標です。

ここまで来ると、感覚から一歩進んで意識の構造化という段階に入っていくのですが、その先の話はまた別の機会にさせていただきたいと思います。

何はともあれ、先ほどの実験で手を握ったときと、全身をリラックスさせたときの身体の揺れ方の違いを感じられた方は大丈夫!

そのまま安心して、全身の感覚と身体コントロール能力を磨いていってください!

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