院長とゆる体操の出会い

私がゆる体操に出会ったのは、まだ21世紀になる前、まだ学生の頃だからかれこれ20年くらいはゆる体操を継続していることになります。合気道を学んでいた私がなぜゆる体操に興味を持ったのか、そんなお話です。

ゆる体操は胡散臭い?身体意識を理解する2つの方法(前編)
ゆる体操を始めた当時、私自身半信半疑でした。しかし私にとって幸いだったのは、ゆる体操に出会う前の2つの体験でした。その2つの体験談を基に、私見ながら前編ではゆる体操や身体意識を理解するための正攻法についてお話ししています!

院長とゆる体操との出会い

合気道(大東流)を稽古する過程で技術の上達(レベルアップ)には「感覚や意識のようなものが決定的に重要だ」と気がついて(別記事「合気道がヤラセだったら気付けなかった大切なこと」参照)、武道だけでなくスポーツの分野でもいろいろ資料を探したのですが当時そのような文献はほぼ皆無でした。

 

「武術談義」(黒田鉄山・甲野善紀共著、壮神社、昭和63年)に出会ったのはこの頃でした。内容が高度すぎて当時はほとんど理解できなかったのを覚えています。

その中で当時ほとんど唯一武道・武術の世界で意識について著作を書いていたのが高岡英夫師だったのです。

「胡散臭い」という印象は拭い去れぬまま、とりあえず高岡師の初期の著作である「スポーツと記号」や「光と闇」、「武道の科学化と格闘技の本質」などに目を通してみました。武道の著作とは思えぬほど学術的で見事なほどに視点にもブレがない。「これだけの分析ができる人がなぜ『意識』について書いているのだろう?」と興味を持ちました。私のゆる体操歴はそこから始まります。

実は当時はまだ「ゆる体操」という体系はまだなくて、今でいう「基礎ゆる」のみがありました。骨をゆるめる「ほゆる」、筋肉をゆるめる「きゆる」、内臓をゆるめる「ぞゆる」に分かれ、それぞれ各部位を細かく丁寧にゆらしゆるめていく体操です。

その上でセンター・中心軸を作る「軸タンブリング」、ハムストリングスや腸腰筋を使いやすくする為の裏転子のトレーニングなどをおこなっていくのですが、実はこれらのトレーニングが簡単なようで一筋縄ではいくような代物ではないのです(笑)
高岡師は現在も様々なトレーニング法を指導されていますが、今の私は新しいものを吸収するどころではなく、その頃に学んだトレーニング法を日々稽古してより正確におこなえるよう工夫するので精一杯。それでも1日も休まず25年ほどもやっているといろいろと見えてくるものもあるのです。

 

ゆる体操というシンプルな体操

そしてこの期間にあった大きな変化の一つが「ゆる体操」が発表されたことです。

最初私はゆる体操というのは基礎ゆるを細かく部位ごとに分けた程度のものだろうと考えていました。しかしゆる体操の裏にある運動進化論のような理論やメカニズム、漢語由流体操法などを知るにつけ、そのような考え方は非常に浅はかであることに気が付かされました。実はゆる体操というのは一つ一つの動きはとてもシンプルで取っ付き易い体操であるにも関わらず、本気でやろうと思えばとても奥が深いものでした。

ゆる体操が発表されたおかげで日々の稽古が捗った面が多々あります。ゆる体操については賛否両論あるのは重々承知ですが、今の私の鍼灸・東洋医学と合気道(合気柔術)の稽古にとってゆる体操はなくてはならないトレーニング手段になっています。

ゆる体操の効果についてはまた別記事でお話しようと思いますが一つ確かに言えること。それは、(ゆる体操に限らず) 身体というのは真剣に向き合えば向き合うほど面白いということ。この楽しさに気がついてくれる方が一人でも増えますように!

それが今の私の切な願いです。

関連記事はこちら!

 

タイトルとURLをコピーしました